超能力者だけの世界で。
「…。」
「黒也っ!?」
闇原黒也はふらついて倒れる。
黒川赤次は黒也に駆け寄る。
そして、1つの気配を感じる。
背後から。
見たことのある人物だ。
「合世色弥。」
「怖い顔するなよ。赤次さん。」
「何をした?」
「彼を俺にください。目的を果たす為に。」
「少なくとも、コイツを棄てたのはお前だ。何を今更。」
「あの時は、区代表達に実験がバレてしまいました。彼を一緒に連れていく余裕も無かった。」
合世色弥は笑う。
闇原黒也を棄てた。
更にそれが闇原黒也を苦しめている。
黒川赤次は合世色弥の事を知っている。
「じゃあ、磁波エレキは?」
「違いますよ。彼は成功です。しかし、難点があった。」
「もしかして…!!」
全てを理解した瞬間、赤次の体に激痛が走る。
闇原黒也は覚醒した。
影によって貫かれた両足。
動けなくなる。
紅い目は鋭く殺気を帯びる。
「さあ、行こうか。『闇原黒也』。」
「あ?…誰だよ。お前。」
「なぁ、『今の多彩町』を一緒に潰そう。」