超能力者だけの世界で。

黒条影介は部屋の中に入る。

少年…、
影介は彼を知っている。

会っていたのは随分、前の事。

部屋の椅子に座る。


「…ん…。」


少年は目を覚ます。


「おはよう。」


声を何気なくかける。

少年は影介の顔を見た。


「…影介さん…?」

「ああ。」


安心からか泣き出す少年。
そして、涙を流しながら彼は口を開く。


「俺は…あなたに…、言わなきゃいけないことが…。」


影介には分かっていた。
彼が言いたい事。


「分かった…、落ち着いて話してくれ。」


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