超能力者だけの世界で。
「…ん~…。どうすりゃ…。」
黒川赤次は唸る。
未知との遭遇は難しい。
方法も見当たらない。
「おーい、赤次さん。」
「あ?輝空か。」
「何してるんですか?」
輝空 星。
黒川赤次の後輩、
次期多彩町五区代表候補。
「宇宙人を探してるんだよ。」
「え?うちゅ…?」
「そう。未知との遭遇を試みようと試行錯誤してんだよ。」
輝空は唖然としている。
赤次は適当なことを言う。
偉いやつは高い所が好きというノーマルな思考は頼りにならない。
「そうなんですか?じゃあ、俺は失礼します。」
「おう。」
輝空 星は去っていく。
赤次は歩き出す。
すると、目の前には別の少年。
奇妙な雰囲気を纏っている。
『やぁ、黒川赤次くん。』
怪しい笑みが似合っていた。