超能力者だけの世界で。
『君のコトは常々見ていたよ。』
「は?…成る程な。」
軽い足取りで赤次に近づいた。
純白の服には合わない裏がありそうなヤツ。
『君は僕らと一緒だ。』
『僕らの一部にならない?』
「!!」
もう1人現れた。
少年によく似た少女。
双子のようだった。
人通りの激しかった道も彼等の能力で人が居なくなった。
「お前らは何がしたいんだ?」
『あら?単刀直入だね。』
「『サード』は何のために作った?」
『僕らの後継ぎは『全てを捩じ伏せる力』が必要。最強、最凶のレッテルが重要。そういう能力者が欲しい。町のトップは誰よりも強くないとね。勿論、僕らを越える位の能力者を。』
《創始者》はニヤリと笑う。
淡々と語る。
黒川赤次は半信半疑。
突然、目の前の少年少女は無邪気な笑顔を見せる。
『じゃあ、本当のコトを話してあげたんだからさ、君の大切なモノをもらっていくね?』
「何…!?」
『アハハハッ!!またね!』
黒川赤次の前を去る《創始者》。
ただ、最強の能力者を造る為の『サード』。
町のトップは、感情論の通じなそうな狂った奴等。
《創始者》は能力を解いたのか、赤次はまた、人混みに紛れていた。
(オレの…大切なモノ?)