超能力者だけの世界で。
―現在・多彩町―
「この後は…黒也の方が知ってるはずだ…。」
うつむいている黒川赤次。
磁波エレキはその後の結果を予測できた。
「でもさ、闇原はドコに行ったんだ?」
「そうだな…。」
澪原水流と青崎氷河。
「黒川、知ってるの?」
「いや、そこまでは…。」
火野愛紗は黒川赤次に問いかける。
しかし、彼も知らなかった。
先の長そうな話だ。
「…、仕方ないけど…戻りましょう?きっと、闇原さんは大丈夫だと思う。」
エレキは全員に言った。
納得してくれたようだった。
この中で誰よりも闇原黒也を心配しているのは間違いもなく…。
「黒川さん…。」
「どうした?」
「無理はしない方がいいと思います。じゃあ。」
エレキはソレだけを伝えて彼から離れる。
黒川赤次は軽く微笑んだ。
明らかに無理をしているように見えた。
(『サード』…《創始者》の後継者として作られた能力者か…その後の『フォース』が俺。)
《創始者》という脅威的な存在を知ることで新たな世界観が産まれる。
(俺は…闇原さんを助ける。)
そして、エレキは前に一歩進む。