超能力者だけの世界で。
青年は視線に気づいたらしい。
近くに寄る。
「……赤次さん?」
「おお、確か…澪原水流かな?」
「おう…。」
赤次はベンチの席を空ける。
澪原水流は意外に落ち着いた雰囲気である。
闇原黒也といる時とは別人ようだ。
「こんな所で何してんだ?」
「…んー…。」
「どうした?」
澪原水流は黙りこんでしまう。
黒井颯心は水流を横目で見る。
隠れて能力を使う。
しかし。
(…ん…?あれ?何にも…聞こえない?そんなハズは…。)
何かにブロックされている。
「残念でしたー。黒井颯心。」
「お前、何者だよ…。」
水流は笑顔で言う。
颯心は彼の言い方にイライラとし始める。
2人の口論が始まる。
「テメェ、裏の人間だろ!!化けの皮を剥いでやる。」
「少年、初対面の人に向かってソレは無しでしょうよ。」
黒川赤次は気にかかっている事がある。
前に会ったことがあるような気がする。澪原水流に。
今日以前の話。
何年か、昔に。