超能力者だけの世界で。
澪原水流はベンチから立ち上がり然り気無く言う。
「闇原がオレを殺しに来るのは目に見えてるでしょ。」
黒川赤次の方を見る。
後ろには白い服の青年が立っていた。
顔は隠していてよく見えない。
水流は何者か分かっていた。
「《創始者》の使いか。何?オレが信用できないの?」
「闇原黒也と貴方との間に邪魔になるような者がいれば、排除します。」
青年は淡々と言う。
黒川赤次と黒井颯心は警戒する。
「澪原。《創始者》との繋がりがあったのか?」
「やっぱり、中身はどす黒い奴だったのか…。」
「やはり、片付けておきましょうか?」
青年は服の両袖から数本のナイフ。
そして、そのナイフは一瞬のうちにして手元から消えていた。
赤次は颯心の前に立つ。
「…攻撃的だな。まったく。」
「赤次さん!!」
赤次の腕に数本のナイフは全て刺さっていた。
彼はそれを抜く。
「かすり傷にもならないな。」
血は既に固まっていた。
黒川赤次の能力は自分自身の血液を自在に操る能力。
武器にもなれば、盾にもなる。