超能力者だけの世界で。
―多彩町・南区―
多彩荘。
磁波エレキの部屋。
「あれ?澪原、来てないのか?」
「はい。どうしたんですか?」
青崎氷河が訪ねてきた。
磁波エレキが就寝前の支度をしていた時にだ。
「そうか、悪かったな。こんな時間に…。おやすみ。」
「は…はい。おやすみなさい。」
しかし、氷河はすぐに自分の部屋に帰って行く。
玄関のドアを閉めた時に先に寝ていた兄。
磁波カンジが起きる。
「どうした?エレキ。」
「澪原さんを探しに青崎さんが来たんだ。」
「そうか…。エレキも早く寝ろよ。明日が辛いぞ。」
「ああ。すぐに寝るよ。」
エレキは少々気になったが、明日に備えて寝ることにした。
この時間に出掛ける…と言うことは何があるのは確か。
エレキは携帯電話を使用。
澪原水流に電話をかけた。
「…出ない。大丈夫かな…?何か変な予感しかしない…。でも、あの人の事だから…明日には…。」
明日には…帰ってきているはずだ。何もなかったような顔をして。
エレキは澪原水流の事を考えながら、寝床で目を閉じた。