超能力者だけの世界で。
《後悔と優しさの記憶》
―多彩町・南区―
磁波エレキの部屋。
次の日の朝、
エレキは外出の準備をする。
後から兄が起床。
「あ、学校か~…。気を付けてな。」
「おう。兄貴も俺がいないからって、変な事すんなよ。」
「分かってる。ちゃんと留守番してるよ。」
エレキは制服に着替えた。
着なれない服は落ち着かない。
カンジは嬉しそうに彼を見る。
「ど…どうした?」
「いや、何か嬉しいなぁ…と思って。いや、お前の成長した姿に感動。」
「…親かよ。」
エレキは少し大きめのショルダーバックを肩に掛ける。
兄の付近のテーブルに朝食を置く。
カンジは髪の毛を結んでいた。
「兄貴の分。お昼も冷蔵庫に入れておいたから。行ってくるよ。」
「ああ、ありがとう。いってらっしゃい。」
カンジは笑顔で見送った。
エレキが出ていった後、
携帯電話の着信音。
南区代表、時田破流。
「何?破流。…『北』に?…ん~…、分かった。行こう。」
(…『北』の様子がおかしい?破流の説明も曖昧すぎるからな…。)