超能力者だけの世界で。


2人は歩いて学校の校門までたどり着く。


「あのさ。」

「…ここまでは、無事だったな。よかった。オレの責任問題が問われるからな。」


安心した様子の黒川赤次。


「は…?」

「オレ、お前の担任。つまり、先生だ。」


突然の暴露話だ。
エレキは疑う。
冷ややかな目。

赤次も、その様子に気づく。


「失礼な!!」

「…ニートだろ。」

「お前なぁ…。」


学校の先生という人柄でもないだろう思われる青年。

闇原黒也の保護者。


「さて、教室は職員室の隣だ。」

「変な場所ですね。」

「エレキは特殊クラスだからね。教師の監視も多い。」


学校の中に入る。
綺麗な廊下が広がっている。

しばらく歩くと目の前に職員室の扉。

確かに隣に教室があった。
電気がついている。
誰かいるようだ。


「あ、教室で待っててくれ。」


赤次は職員室に姿を消す。

教室のドアを開けるエレキ。
そこには、見覚えのある顔。


「黒井…颯心さん?」

「よぉ、確か…磁波エレキか?」


黒井颯心。
多彩町でメッセンジャーをしている少年。

机の上に脚を組んで座っている。


「新しい生徒…か。退屈しないで済みそうだな。」



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