超能力者だけの世界で。

事は大きくなった。
少年達だけじゃ何もできやしない。


「どうしよう?闇原、氷河。」

「俺達では、この状況は打破できないに決まってる。」

「このまま、区代が来るのを待つのかよ?」


屋上に行ったら殺される。
相手は武装しているの対して、彼らは決まりにより手を出せない。


「気絶させるのもダメ?」

「ああ。青崎は既に手を出し、ボコしたからどっち道アウトだ。」

「……闇原、お前…意地悪いな。」


能力を使わずして、この状況は突破不可能。

窓を割って飛び降りて逃げる方法も建物を壊したことで、長い説教が待っている。

3人は唸る。
そして、声がした。


「大丈夫?少年達。」


赤い髪、ジャージを着た女性。
欠伸をしながら近づいた。


「火野愛紗…?」

「あ、黒也。」

「何でここに?」


闇原黒也の知り合いだった。
この最悪な場面でも余裕な顔をしている火野愛紗。


「アナタ達を助けてあげてくれって頼まれたからよ。黒川赤次に。」

「え?アイツが?」


黒也は嫌そうな顔をする。


「もしかして、黒川さんが来てるのか?」


氷河と水流は顔を見合わせる。
愛紗が言うには屋上にいるらしい。
五区代表は代理を派遣した。


「屋上に行こうか、少年達。」

「どうしてだ?」

「入口には別の人間がいて帰れないわ。」


< 141 / 170 >

この作品をシェア

pagetop