超能力者だけの世界で。
事は大きくなった。
少年達だけじゃ何もできやしない。
「どうしよう?闇原、氷河。」
「俺達では、この状況は打破できないに決まってる。」
「このまま、区代が来るのを待つのかよ?」
屋上に行ったら殺される。
相手は武装しているの対して、彼らは決まりにより手を出せない。
「気絶させるのもダメ?」
「ああ。青崎は既に手を出し、ボコしたからどっち道アウトだ。」
「……闇原、お前…意地悪いな。」
能力を使わずして、この状況は突破不可能。
窓を割って飛び降りて逃げる方法も建物を壊したことで、長い説教が待っている。
3人は唸る。
そして、声がした。
「大丈夫?少年達。」
赤い髪、ジャージを着た女性。
欠伸をしながら近づいた。
「火野愛紗…?」
「あ、黒也。」
「何でここに?」
闇原黒也の知り合いだった。
この最悪な場面でも余裕な顔をしている火野愛紗。
「アナタ達を助けてあげてくれって頼まれたからよ。黒川赤次に。」
「え?アイツが?」
黒也は嫌そうな顔をする。
「もしかして、黒川さんが来てるのか?」
氷河と水流は顔を見合わせる。
愛紗が言うには屋上にいるらしい。
五区代表は代理を派遣した。
「屋上に行こうか、少年達。」
「どうしてだ?」
「入口には別の人間がいて帰れないわ。」