超能力者だけの世界で。


「あらら…。」


愛紗は呆れた顔をする。
自分の炎の能力でも溶かすのに時間がかかる氷。
辺りは一瞬で極寒となった。


「黒也、どうにかしろ。」


赤次は黒也に言う。
黒也は睨んで返事する。


「そんなこと、百も承知だ。」


しかし、どうしようもなかった。

能力を最大に解放してしまっていて、いつもよりも強力。
黒也も身動きだけで大変だった。
地面すら凍っている。
空気も痛かった。


「ちょっと…氷河…勘弁してくれよ…。」


水流も心底困っているようだ。
氷河は体自体も氷のようになっていた。
そして、彼は敵味方関係なく暴れ始める。


「澪原!!」


黒也は水流の所に素早く移動し、対応。
水流の頭上から無数の氷柱が降ってくる。
黒也は影の力を使って、すべて弾き飛ばした。


「ごめん、闇原。」

「気をつけろ。今は何が起こるか分からない。」

「そうだね。」


今は防ぐので精一杯。
なにかしら方法があるはずだ…闇原黒也は考える。
澪原水流は彼の名前を呼び続ける。
2人の姿を見る愛紗。


「まったく、仕方ないなぁー。」


愛紗は氷河と親しいと思われる女性にスタスタと近づいていく。


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