超能力者だけの世界で。
―多彩町・中央区―
「闇原~。あれ?」
「居ますよ。」
ブロンドの髪の青年。
輝空 星は、闇原黒也の事を呼んでいる。
三日月が綺麗に出ている夜。
「闇原。今日も宜しくね。」
「了解。」
闇原黒也と中央区代表の輝空 星は夜になると動き始める。
2人は、一緒に町の中を巡回する。
この町も夜になると平和じゃない。
《黒い鮮血の風》。
最近現れた夜に人を襲う能力者。
風のように現れて、
風のように去っていく。
日に日に、被害者は増えていく。
これ以上の被害を減らすべく、
この町で強いと思われる能力者に町の巡回を呼び掛けている。
闇原黒也は最強に近い能力者と聴いていた輝空 星は、
共にパトロールをする事を頼んだ。
「そんな簡単に出るとも思わないが?」
「そうなんだよねぇ。」
黒也は辺りを見渡した。
三日月が綺麗に出ている夜。
人通りの少ない道を歩く。
「う~ん…。」
星は唸る。
どうやったら、その能力者が出てくれるか。
暫く考えて、星は言う。
「気長に待とうか。」
「考える必要あったか?」
夜はまだ始まったばかり。