超能力者だけの世界で。
―南区・多彩荘―
エレキの部屋。
(半日かけて片付け終了!!)
エレキはベットに倒れ込む。
部屋の中でも、
黒い手袋を、はめている。
服は一度濡れてしまったので洗濯している。
今は黒い半袖半ズボン。
これで外に出たら風邪を引く。
(闇原さん何処に出掛けたんだろ?)
何故か気にかけてしまう。
あの後、青崎 氷河も出ていった。
気にかける事では無いだろうが。
(何か変な事が起こるような…。)
少年の直感である。
(部屋のベルがなったら、突然、襲われたりしないよな?)
変な心配をしてしまう。
ここはセキュリティが無く、
自分の身は自分で護れみたいな感じである。
“ピンポーン”
(何ぃ!?マジで鳴ったぞ…。)
玄関のドアに近づく。
ドアノブに手を掛けて、
思い切り開けた。
(え?)
突然の事過ぎて何も言えない。
倒れて来た青い髪の青年。
脇腹を手で押さえている。
血が流れていた。
「わ…悪い…」
「大丈夫ですか!?」
負傷した青年は、
気を失ってしまった。
(止血しなきゃな、包帯はまだ残ってたはずだ。)
エレキは、安定した場所に寝かせ、慌てて準備に入る。
多少の医療技術は知っていた。
変な兄の受け売りだった。