超能力者だけの世界で。
「ふぅ…。」
何とかなったようだ。
ベットに運んで寝かせる。
青年の傷は何かで斬られたような感じであった。
一度に何ヵ所も。
鎌鼬のような感じだろうか。
(これも能力か?)
少年は考える。
夜の視界の悪い中で能力を使うなんて犯行的過ぎないだろうか。
(無差別?)
少年はそれだったら心当たりがある。
(磁波カンジ…?)
「いっ…!!」
「動かない方が良いですよ。」
青髪の青年は起き上がる。
彼が動こうとしたので止める。
「オレ…。澪原 水流。下の階に住んでいる。」
「今日から此所に住む事になった、磁波エレキです。」
挨拶をしてきた澪原水流。
エレキも挨拶を済ませる。
「襲われたんだ…。多分、《黒き鮮血の風》に。」
「え?」
「理性を持っていないようだったな。意識が無いような感じの、人を襲う能力者。」
これを聞いて少年は、ある確信を持った。
(アイツがやったに違いない。)
そう、磁波カンジ…という人物が何かしら手を入れている事を。