超能力者だけの世界で。
その時、闇原黒也。
「五月蝿いな…。朝っぱらから…。」
物音が激しい。
何処かで解体作業をしているのかぐらいに。
クローゼットから、Yシャツとネクタイを出して着る。
(ったく…。)
磁波エレキの部屋から音が漏れているようだが、違うようだ。
しかし、その下の部屋は誰も居ない筈だ。
澪原水流の部屋。
その部屋に近づいた。
『エレキ。見てくれ。こんな物があった。』
『それは、■■■■だって!!早く棄てて!!こっち来んな!!』
『あれ?エレキ何か踏んでる。』
『うわーー!!得体の知らないの踏んだ!!』
(澪原!?)
耳を疑ったが、
間違いなく青年の声がする。
闇原黒也は、玄関のドアを開けて中に入る。
すると、
開けた途端、ゴミの山が降ってきた。
黒也は自分の影を帯状にし、実体化させて、ゴミの山を弾き返す。
「…あ…。」
「澪原…?」
水流は青ざめた顔をする。
2人はしばらく何も言わず、
立ち止まっていた。
半年振りの再会だった。
エレキは、弾き返されたゴミの山に埋められてしまっていた。
(気付かれるまで待つか…。)