超能力者だけの世界で。


「最後に会えて…良かった。」



目の前の兄は告げる。
まるで、最後の台詞のように。


「え…。」


エレキは驚いた。
そして、気づく、彼が本当の兄だと。



「もう…お前には…会えない。本当に会えて良かった。」


「何でそんな事…」


言うんだよ。


「御免な。でも…もう…これ以上誰かを不幸に出来ない…。ケジメってやつをつけるんだ…。」



そう言って姿を消した…。
いかにも、壊れそうな身体で。


また、たった1人。
少年、弟を置いて姿を消した。



(なんでだ…。)



少年の頭に残ったのは疑問。
その場に残ったのは彼の血の跡。


その時、磁波カンジも色々なモノを押さえつけていた。




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