超能力者だけの世界で。

―多彩荘―



エレキの部屋にて。



「寒い…。」


「エレキの部屋…暖房器具無いんだ。闇原さんの部屋、コタツあるよ?」



磁波エレキと風霧 瞬牙。


瞬牙は、闇原黒也と同居している少年だ。


今は隣の部屋からエレキの所に遊びに来ている。



「え…。そうなの?」

「今、闇原さんコタツで寝てるよ?」

「え…?あの人が?」



エレキと瞬牙は、隣の黒也の部屋に訪れる。


そっと扉開けて入る。


コタツが端の方に出ていた。



「ほら、体すっぽり入っているでしょ?」

「本当だ。意外だな」

「アレ?誰か他にもいる?」



黒也の姿の他に誰かの頭が出ているのがわかる。


エレキと瞬牙は、
コタツの方に近づく。



「澪原さん。」

「おぅ…。エレキと瞬牙。」



青い髪の青年。
澪原水流。


起き上がって、エレキ達を見る。
闇原黒也も目が覚めたようだ。



「澪原…?」

「闇原。お邪魔してるぞ。」

「エレキも来たのか…。」

「お邪魔してます。」



黒也は座り直す。
目が重たそうだ。



「エレキも入れば良い。」

「じゃあ…、え…遠慮無く。」



エレキは澪原の隣に座る。

暖かい。

暖房器具の無い部屋よりは全然マシである。



「闇原って…実はね…。」

「澪原!!」



澪原水流は闇原黒也の暴露話をしようとしていた。



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