超能力者だけの世界で。


2人は歩いて黒也の家にやってきた。


ここは中央区である。
黒也は中央区に住んでいた。



「え?一軒家に1人暮らし?」

「違う。この家の人に置いてもらってるだけだ。」

「誰の家なのさ?」

「『黒川 赤次』って人だ。まぁ、あんまり帰って来ない。」

「へぇ…って黒川赤次!?最凶って言われてる?すげぇな。お前の精神力。」



この町で絶対的な強さを持っている。

黒也もそれは解っていた。


彼は誰よりも恐ろしく、誰よりも優しい。



「闇原。お前っていつも何してるんだ?」

「寝てる。」

「だよな。お前の部屋見る限りじゃあ、寝てるか、勉強してるか、読書してるか。しかないだろ?」


黒也の部屋には、余分な物は一切無かった。


澪原水流は、真面目過ぎる彼を見てビビる。


自分の部屋はもっと、ジャングルに近い。



「すげぇな。闇原。」

「は?」

「こんな綺麗な部屋を初めてみた。オレの部屋、腐海だし。」

「あ?」

「昼寝でもするか!コタツで。蜜柑ある?」

「正月じゃねぇよ?」




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