超能力者だけの世界で。
闇原黒也は、
部屋に1人。
風呂上がり、頭をタオルで拭きながらテレビを電源ボタンを押す。
「はぁ…。」
今日はいつもより一段と疲れたような気がした。
テレビでは、ニュースがかかっている。
画面は見ずに本を読み始める。
すると、ニュース速報が入る。
(全く物騒だな…。バスジャックだなんて…。)
町の中を走るバスが何者かにジャックされたらしい。
(あれ?南区行きバス?)
まさか…と思った。
ある少年は南区行きバスに乗って帰っている。
その予感は的中した。
携帯電話がなる。
連絡先は非通知。
「はい?」
『闇原?オレ、オレ。』
「澪原?『オレ、オレ。』ってお前…。」
『なんかよ…バスが大変な事になっててよ…。』
(は?まさかの…?)
ひそひそ声の水流。
『どうしたら良い?』
「周りの奴等を全員非常口から出せ。その後、様子を見て逃げろ。」
『わかった。やってみる。』
電話は切れた。
黒也は立ち上がって服を着る。
助けに行くのだ。
澪原水流を。
(ちっ…。どうして俺が…。)
素直になれないのが、闇原黒也なのであった。