超能力者だけの世界で。
―南区行きバス内―
「いや…。オレは、あんまりバスジャックは好まない…って言うか…。」
「おい、何やってくれてんだぁ?ガキが。」
澪原水流は何となく乗客を全て外に出す事に成功したが、
自分が逃げられずにいた。
コイツらは不良集団の1つ。
バスジャックをして、この町の区代表を誘き出そうとしているのだろう。
「オレは、不良とか興味ないんですよね…。」
「ガキ、覚悟はできてるよなぁ?」
「できてないですよ…。」
不良の1人の男が、パチンッと指を鳴らすと、座席の1つが爆発した。
物を爆発物に変える能力。
厄介な能力者に出会ってしまった。
澪原水流の能力は、
何処でも水を操る事ができる能力。
この場を水浸しにすれば、不発で済むかもしれないが上手く扱う事ができない。
「くそっ…。」
3人の不良は銃も刃物も持っていた。
1対3は不利すぎる。
またパチンッと指を鳴らす。
水流の近隣の席が爆発した。
水流は後部座席の窓に叩きつけられる。
「っ…。オレは、あんまり戦えないんだって…。」
後部座席が爆発すれば、もう元も子もない。
不良は指を鳴らそうとする。
澪原水流は、絶体絶命な状況に立たされていた。