超能力者だけの世界で。
「ん…。」
「よっしゃ!!闇原と初ハイタッチ♪」
黒也は躊躇ったが、
顔を赤くしながら水流とハイタッチ。
水流はご満悦のようである。
黒也はその後、水流の頭に拳骨を入れた。
「びしょ濡れじゃねぇかよ!!」
「ごめんなさい…」
二人の一日は、とてつもなく長かった。
それなりに得るものも多かったが…。
「しょうがない、家に泊まっていけよ。あの人は帰ってこないし。」
「え?マジで?やったー!!」
水流は軽い足取りで歩く。
冷たい風邪が吹く。
濡れたYシャツ。
凍え死ぬくらいだ。
「凍え死にメリークリスマス。」
「あ…?お前のせいだろうが。」
今年の聖夜は過ぎていく。
空気は寒いのに何故か、暖かかった…。