超能力者だけの世界で。
―多彩町・中央区―
青崎氷河は春風雹夏と共に町を歩く。
中央区の広場には人々が集まり、クリスマスツリーを見ていた。
「青崎さんは新しい恋とかしないんですか?」
「ん…、どうだろう…。」
「まぁ、私みたいな歳上はやめた方がいいと思います。」
「え?俺は歳上結構好きですけど。」
「青崎さん…、素直に言うのはどうかと…。」
「雹夏さん。クリスマスツリー見ていきません?」
「えっ…?」
氷河は雹夏の手を自然に取り、
クリスマスツリーの下まで。
雹夏は慣れない事だったので顔を赤く染めていた。
氷河は笑顔だった。
「雹夏さん。
俺は、また本当に大好きな人が出来るのか解らないけど…。あの人は許してくれるでしょうね。」
「青崎さん。」
雹夏は氷河の顔を見た。
(私よりも…大人じゃない…。)
過去に捕われない彼の顔。
スッキリとしていた。
「どうしました?」
「何でもないですよ。」