超能力者だけの世界で。
青崎氷河と春風雹夏は、
夕焼けの空の下、
誰もいない道を歩く。
「あの…青崎さん。」
「はい?何でしょう?」
「貴方が最凶の『氷世界の王』って言われていたと聞いた事があります。本当ですか?」
「はい。
俺も変な時期があったんですよ。力が上手く使えなくて、
其処ら辺を氷漬けにしたり。」
「そうなんですか…。」
「どうしたんですか?」
氷河は雹夏の顔を覗き込んだ。
何か困っているような顔をしている。
言いずらそうな顔。
しばらく、雹夏は黙っていたが、口を開く。
「私は…今、力を上手く使えなくなってしまったんです。
私の能力は『冷気と熱気を操る』能力です。
青崎さんの能力に
さらに1つ能力が追加されたようなモノです。」
「へぇ…そんな能力があるんだ?」
「私は上手く使えるようになりたいんです。」
「解りました。俺も手伝える事があったら、何でもしますよ。」
「有り難う…。」
雹夏は顔を赤くして、氷河にお礼を言った。