超能力者だけの世界で。



「オイッ!!」

「もう、体力も底をついてたんだよ。俺なんか追ってるからさ。」
「お前…。」

「強気になっても体が動かないんだろ?それを恐怖とでも言っておこうか?エレキくん。」



氷河も動けなかった。

合世色弥の中にあの人の気配がするからだ。



(コイツは…人に変化できて、人の能力まで使えるのか…!?)



『氷世界の王』を盗まれる可能性がある。


しかし、
この戦いを終わらせないと、
次は誰が被害を受けるかわからない。



「青崎さん。」

「俺は…止める。」



氷河は天に手をかざす。
青白く手が輝き始める。



「《氷世界の王》!!」



地面はスケートリンクのように綺麗に凍りつく。


それを利用して、
闇原黒也は合世色弥の足を払い、転倒させ、磁波エレキから離す。
空からは白い雪が舞い始める。

黒也は辛うじて動ける。


しかし、
他の人は立っているのがやっとだ。


この能力を発動させた者。
青崎氷河。

彼の体は氷そのものになっていた。

服から出ている所を見ると解る。体内にある水分を凍らせたのだ。


「コレが絶対零度の世界だ!!」





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