ひみつのはら

 あたしはもう、たっくんを見たくもなかった。


 たっくんももう、あたしになにも言ってこなかった。


「こっちゃん……」


 ゆうちゃんはなにか言おうとしたけど、黙った。きっと、どうしたらいいかわかんなかったんだね。


 けっきょくあたしは飛鳥先生におこられて、たっくんたちはなにも言わずに帰っちゃって。


 ―――せっかく楽しかった日が、一瞬でイヤな日になっちゃった。


 先生にもおこられたし、自分がヒドイことを言ったのは分かってるよ。


 でも。たっくんはホントにアクマになっちゃったって思う。




 ねぇ。



 ホントにわるい子なのは、どっち……?



             ♪



「こっちゃんは"知らない"から、気づいてないんだよ」


 うわ!?また心を読まれた!!


 わけじゃなくて、また声にでてたのかな。


 そう声をかけてきたのは、ナオちゃん。


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