ひみつのはら

 そしたら、せっかくなかよしになったみんなとも……。


「それか、親がそんなエリートじゃ"付き合うな"って言われてるか……このみ?」


 言葉を途中で止めて、しばらくじっと見て。


「心配ごとなんて、何もないよ」


 あたしの気持ちに気づいたのか、おねえちゃんがあたしの頭をなでた。


「それよりさ、もう一人謝る相手がいることを忘れないでね」


 そして突然そう言う。―――えっと、だれだ?


「あのね……。ふつうは本人、ナオちゃんの前でそんなケンカできないから」


 ……げ!


 そういえば「気づかれないように」って、ないしょばなしするみたいにたっくんと話してたのに。


 なんでバレたんだ、あたし!!


 うう……。明日はきっと、「ごめんなさい」しか言うことないな。


 まぁ、それでも……許してもらえたらいいな。



             ♪



 そして、次の日。


「ナオちゃん、今日からまたお仕事だって。もうなかなか幼稚園来れないかも、って。

え?たっくん? あ、そうだ。

 たっくんも今日はお休み。お熱、かな?」



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