ひみつのはら
また、ナオちゃんの声。
「こっちゃんはきっと、いつもみたいにふざけるつもりだったんでしょ?なのにたっくん、本気にしちゃって」
「ほ、ほん、気になん、て……」
ほら、ってかんじでナオちゃんがあたしを見る。あ、ええと!
「な、なに?たっくん本気にしてたのぉ?で、こんな泣いてたのぉ?」
いつも、悪いことをすると大人は「あやまりなさい」って怒る。
今は大人もいないし、誰も「あやまりなさい」って言わない。
でも、言われないからかな。すっごくイヤな気分。
こうやって、ケンカで終わらせようとするのもナオちゃんのやさしさ。
でも。……ホントにこれでいいのかな?
「たっくんって、ホントこどもだねェ。ホントに信じちゃうなんて……」
ホントに、こんなことだけど、たっくんはあたしを信じたのに?
「ホントに……………ごめんなさい」
いいわけ、ないよね。
「本気にして、それで、泣いてるんだったら……ごめんなさい」
急にあやまったから、たっくんはさっきよりもっとビックリしてる。
ナオちゃんもおどろいて……笑った。
うん。これでいい。もう言わないけど、これでいいんだもん!
だって、あたしはすっきりしたし。ナオちゃんは満足そうにうなずいてるし(ん?)、たっくんは……ハッとして、