ひみつのはら

 ボクがチビだの怖いだの言われるたびに、

「確かにたっくんはチビで暗いけど、ネはたぶんマトモだよ!」

って。

 アクマで庇うつもりはないみたいだけど。

 それでも、ずっと一緒にいる内に、ボク達は「ともだち」になった。

 そして、ボクは誰とでも話せるようになった。

         ♪

 その後こっちゃんの存在を知ったりした訳だけど、それもさっちゃんを通してだった。

 ボクの出会った「ともだち」は、ほとんどさっちゃんが紹介してくれた。

 自分から見つけた「ともだち」は……いないと思う。

 だから、こっちゃんにはちゃんと言わなきゃ。

 ボクはこんなヤツだって。

 でも、言えない。どうしても、強がっちゃう。

 今日だって、今だって。

「たっくんさー、珍しく何か考え事してる?」

 こっちゃんはすきだけど、そういう嫌味たっぷりの言葉にムッとしてばっかり。

「珍しくって何だよ!してるけど、こっちゃんには理解できない内容だよ」

「な、言ってみなきゃ分かんないじゃん!」

 年長になって、早2週間。ケンカしなかった日は……無いかな。

 そして。
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