ひみつのはら
「オレとたっくん、一週間に1回いっしょに帰ってること知ってるよね?」
「あ、そういえば。うん」
「え?家近いの?」
ここでさっちゃんも話に加わる。そっか、さっちゃんは知らなかったっけ。
で、またゆうちゃんを見ると。……少し、迷ったような顔。
「……実は、そうでもないんだけど……」
ん?
「ごめん、こっちゃん。オレ、ウソついた。オレの家とたっくんの家、あんまり近くないの」
え?
「歩いて行けないこともないけど……前行ったら、すごく時間かかった」
……それは、遠いね。ウソ……ついたのはたっくんだよ、ゆうちゃん。
「でも、とにかくいっしょに帰る日があるんだけど。
運動会が終わって、何日かしてね。電話してもぜんぜん出なかったのに、その時、たっくんが電話してきたの。
で、『しばらくお休みする』って言って……もう2ヵ月になるね、それから、姿も見てないの。
いっしょに帰る日は、お父さんが遅いか帰れない日で、夕ごはんもうちで食べてくんだけど……」
ゆうちゃんの話がひと段落ついて、あたしとさっちゃんは考える。
「それって、ヒキコモリってやつじゃない?」
「えー、たっくん何か悪いことしてるのかなー」