ひみつのはら

 あれ?ヒドイことしか思いついてないような。


「ほかの家族は?何も、たっくん本人じゃなくても」


「えーと、お父さんは忙しい人で、なかなか……。あとは……」


 またまた言いにくそうなゆうちゃん。


 まぁ、たしかにフクザツだもんなー。


「先生は……アテにならないか。ずっと『お風邪』のイッテンバリだもんね」


 さっちゃんが、そうためいきをついた時だった。


 突然、あたしたちの後ろのドアがガラッと開いたのは。


「飛鳥先生、ちょっと……」


 あれ、めずらしい。あたしたち梅組の担任・たかなし先生だ。


 飛鳥で「あすか」、鳥遊で「たかなし」。漢字ってむずかしい。


 じゃなくて。どうしたんだろ?そーっとあたしたちは端による。


「どうしました?鳥遊先生」


「電話です。拓人くんのお父さんから……」


 おおっと!?……なんでたかなし先生、悲しそうなのかな?


 それから2人は急いで「先生のお部屋」に行って、あたしたちはもちろん。


「行く?」


「もちろん!」


 その2言で、走り出した。





 




















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