ひみつのはら

 ――それは、ゆかちゃんやさっちゃんの言うとおりだった。


「たっくんは今、お父さんのお父さん、つまり、たっくんのおじいちゃんの家にいるんだって。すごーく遠いところなんだって」


 ホントのホントにすごいよ!みんな!!


 あたしたちがスッキリした気分のなか、あれ?その情報を教えてくれたゆうちゃんはなんだか納得してない。


「……だけどさ、もっと早く教えてくれればいいのにね。それ、1ヶ月も前の話なんだよ。いそがしかったのは知ってるけど」


 ……そういえば。


「昔から思ってたけどね、あ、ナイショだよ?あのお父さん、たっくんに冷たいの。なんて言えばいいか分かんないけど、そうなの」


 …… そうなんだ。だったら、たっくんが「キラわれてる」って思うのも分かるかな。


 でも、それ以上に、あたしはなんだか不安になった。


「だから連絡遅かったんじゃない?」


「とにかく。入院とかじゃなくてよかったね」


 ゆかちゃんやさっちゃんはそう言うけど、やっぱり……。


「……たっくんのお父さん、たっくんのことスキじゃないのかな」


 あたしとおなじような顔で、みゆきちゃんがつぶやいた。






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