ひみつのはら
さっちゃんがなにか言おうとして、あたしがまたにらもうとした―――そのとき。
「こんにちは〜」
聞きなれた声が、後ろからした。
「……飛鳥先生……?」
「あれー?こっちゃんにさっちゃん、どうしてここに?それから……やっとお会いできましたね。小林先生」
どうして飛鳥先生が!?さっちゃんもビックリしてる。
「病院に行ってもお会いできなかったのに、まさかお家にいらっしゃるとは。今日はお休みでしたか?」
「いや……資料を取りに来ただけですが」
大人2人、一歩も引かず。でもよく見ると……飛鳥先生のがよゆうだな。
「ところで、最近妙な話を聞いたのですが……」
飛鳥先生は、あたしたちが話したことを言い出した。
――もしかして、あたしたちのことを信じてくれたの……?
「だから、家庭訪問をしてみようかと思いまして」
もし、たっくんがこの中にいるとしたら。
この人は、先生を中に入れないだろう。
「すみません、いきなりそう言われても……。あの子は実家に預けています。それに、今家の中は散らかっていて、とてもお通しできないので」
思ったとおり、入れないつもりだ。