ひみつのはら

 それは、みさきちゃんだった。


 そっか。なんだかんだで、まだみさきちゃんには伝えてなかったんだ!!


「……どうして?なんで……」


 静かになった病室に、みさきちゃんのかすれた声がひびく。


 あれ?その前に。みさきちゃん、起きてだいじょうぶなの?


「みさきちゃん!!」


 さらに来たのは看護師さん。すごくあわててる。


「気持ちは分かるけど、まだ体が……1回戻ろう?ね?」


 だよね、やっぱり。


 だけど、みさきちゃんは強かった。


「私の体なんてどうでもいいんです!それより、何があったの!?
なんで私だけ何も知らされてないんですか!?」


 看護師さん、たじたじ。


 あたしとさっちゃんがビックリしてたら、おねえちゃんたちが手を引いた。


「下に売店あるから、行ってみようか」


 出た。大人って、つごうが悪くなるといつも何かでつるんだよね。


 あたしはつられないぞ!……って思ってたけど、さっちゃんも行くっていうから……。


 し、しかたない。








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