ひみつのはら

 飛鳥先生とみさきちゃんがお医者さんのおはなしを聞きに行ったのを確認して、あたしたちも話しだす。


「たっくんはさ、幼稚園やめたくないんでしょ?そのこと、みさきちゃんやほかの大人に言った?」


「……ううん」


「伝えなきゃ、だめ。無理って言われたら、ぼくら、たっくん、守る」


「え?どうやって?……だれが?」


 よーし、たっくんが乗ってきたぞ!ここでさっちゃんの立てた計画を話す。
あ、もちろん「大人にはないしょだよ」って言ってからね。


「そ、そんなことしたら、どんな"おしおき"されるか分かんないよ?」


 お、おしおき?それは……やだな。


 ここでしげるくん。


「だいじょうぶ。たっくんには、指一本、ふれさせない」


 かっこいい……。


「とにかく!何回も何回もたのんでね!
あたしたちもずっとたのむから!
それでもダメなら……"戦争"だよ!」



 言い切ったら、たっくんはほんの少し、わらった。




             ♪

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