ひみつのはら
お兄ちゃん、どう思うかな。
あたしのことは分かってくれると思う。けど、やっぱり「無理だね」って言うかな。
沈黙がやだよ……。
『……へぇ、このみも、やっとそう思えるようになったんだ』
「う、うん」
『で、このみがそう言って、向こうは何て?』
「何も。ただ、おねえちゃんが寂しそうだったって」
『そっか。よかったな。頑張れ』
……ん?どういうことだ?それ。
『え、何?分かってないの?その子の気持ち』
「だ、だって……その子、あまり話さない子だし、笑わないし……」
『なるほど、それで自分と似てるって感じて、このみは友達になりたくなったんだ?』
な、な、な、えぇ!?
なんで分かっちゃうのォォ!?
『当たった?』
「う、うん」
『そっか。このみは今、その子と友達になれないかもって不安がってるけど、それは向こうも同じなんじゃないか?』
「え……」
『だって、寂しそうだったんだろ?滅多に笑わない子が。このみと友達になれないって思ったから、そんな顔したんじゃないの?』