ひみつのはら

 それなのに、2人共さっちゃんだけにはかなわない。何でだろう?


「あれ、2人共梅組さん?良かったね~、同じクラスになれて」


 思わずあたし達は、


「「よ、よくない!!」」

 ハモッた。……何で?


 そこへ再び先生。


「おはよう桜ちゃん。桜ちゃんも梅組さんだよ」


 おおっ!先生はしゃがんでさっちゃんの制服に名札をつけ……ようとするんだけど、


「あ、自分で付けられます。子供じゃないんだから」


 スパッと断られた。


 大人っぽいさっちゃんは、何でも自分でやろうとする。カッコイイなぁっていつも思う。



 それからだんだん園児が登園して来た。そして、みんなこの「赤ちゃんのうち」に入る。


 「赤ちゃんのうち」っていうのは、0~2歳の子達のクラス・たんぽぽ組ともも組がある建物。
それから延長保育組・チューリップ組もある。

 幼稚園の建物とは繋がっていて、あたし達―――チューリップ組は幼稚園が終わると「赤ちゃんのうち」に来る。

 今は早朝保育っていって、チューリップ組は朝早くから幼稚園に来ても大丈夫なんだ。


 たっくんやさっちゃんとは、このチューリップ組で友達になったんだよ。


「8時になったよ~。チューリップ組のみんなはお片づけをして新しい教室に行きましょう!」


 チューリップ組の先生・飛鳥先生の声で、みんな動き出す。


 今日、どんなことがあるのかな?先生は誰かな?


 もう年長さんなんだから、怖がらないでみんなとお話しできるかな……?


 そんなむずむずした気持ちで、あたしはたっくんとさっちゃんと、梅組の教室へ向かった。

< 6 / 261 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop