ひみつのはら

 これでどうだ!!

「え、何?このみもうデキてる感じ?」

「あ~、なんかその子と『かれかれなの』って、前々から言ってるの。ん、『かのかの』って言ってたっけ?」

 ど、どっちも言ったけど……ちゃんと覚えたもん!カレカノだもん!

「じゃあさ、その男の子?連れてWデートすっか」

「先パイ、大学生が子供2人も連れてくのは無理なんじゃ……」

「大丈夫だろ。俺も由紀も子供の世話慣れてるし」

 なんかね、遊理兄ちゃんは年の離れた弟と妹の面倒を良く見てたんだって。

「よし、来週の日曜日だ!このみ、誘って来い!」

「うん!!」

「許してくれるのかな~、ゆうちゃんママ。まだ1度も会ったことないんだよね~」

 おねえちゃんの呟きは聞こえたけど、あたしは内心ニヤッてしたんだ。

 いいこと思いついちゃった!!



             ♪



 次の日、いつも通りさっちゃんと幼稚園へ向かい、チューリップ組に来た。

 あ、いたいた!ゆうちゃん!!

「お… 「おはよ~ゆうちゃん」

 うう……。今日もさっちゃんの方が早かったか。なんかいつもさっちゃんの声にかき消されてる気がするんだ。
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