ひみつのはら

 気のせい、だよね?

「あ、こっちゃんにさっちゃん!おはよー!」

 ゆうちゃんがこっちに来る。いつもちゃんと「おはよう」って言えないけど、ゆうちゃんは必ずあたしの名前から呼んでくれるの。

 ちっちゃいことかもしれないけど、嬉しいんだ。

 さてさて、本題に入りたいんだけど……気付いたらゆうちゃん、さっちゃんにとられてました。

 え、えーと。どうしようかな……。

 けれど、すぐに。

「あ、たっくんも来た。おーい!」

 さっちゃんがそのことに気付く。でかしたたっくん!!

「さっちゃんとこっちゃん……とゆうちゃん。おは… 「ゆうちゃんちょっと来て!!」

 あたしはゆうちゃんの手を引っ張って走った。たっくん、遮ってごめんよ!

「なに?こっちゃんかけっこしたいの?じゃあ走ろ!いくよ~」

「あ、ち、違うよ。ちょっとお話があって」

 ゆうちゃんはよく、かけっこで1番とる男の子。本気で走られたら置いてかれる……。

 チューリップ組にいる間は、園庭で遊んでてもいいんだ。たっくんやみゆきちゃんちといるときは部屋の中にいることが多いけど、さっちゃんやゆうちゃんといるときはほとんどが外で過ごすんだ。

 まぁとにかく。あたしたちはタイヤ跳びの所で話しはじめた。
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