ひみつのはら
「あのね、今度の日曜日おねえちゃんちが遊園地ででーとするの。それで……ゆうちゃんも連れてってくれるって言うんだけど……行かない?」
「えっいいの?こっちゃんも行くんだよね?」
「うん。……あたしも、ゆうちゃんとでーとしたくて」
ちょっとドキドキするよ~。……でもなかなかゆうちゃんの返事が返ってこない。
ま、まさかイヤとか……!?
「おばあちゃんがいいよって言ったら行くね。行きたいな、遊園地」
その笑顔、まぶしいよ。しかもゆうちゃん、あたしと行きたいって……!!
(数年後、「そうは言ってない」と気付きます。それまで突っ込まないで)
「じゃあ聞いてくるね」
「うん!でーとできるといいね!」
その日、あたしは一日中幸せだったのだった……。
♪
「おねえちゃん!ゆうちゃん行けるって!!」
次の日の帰り、迎えに来たおねえちゃんにあたしは真っ先に言った。
「そっか、よかった~。……あれ?」
ふいにおねえちゃんが顔を上げる。何だろ?
「こんばんは~。ゆうちゃ~ん、たっく~ん、お迎え来たよ~!」