ひみつのはら
「このみちゃんも、ゆうちゃんをよろしくね」
おばあさんはあたしにも笑いかけた。
いい人、なのかな。
「だいじょうぶだよ、オレ男だもん!」
ゆうちゃんがうんざりしたみたいに言った。
うん、大丈夫だよね。ゆうちゃんがいれば!
「それじゃ、行ってくるね~!」
ゆうちゃんはおっきな笑顔で駆け出した。
おばあさんはそんなゆうちゃんを、心配そうな、でも嬉しそうに見ていた。
♪
「大人2人、幼児2人です」
「お子様はおいくつですか?……」
ホントはおねえちゃんがあたしたちを見てる予定だったけど、あたしが「大丈夫!」って言い張ったから、大人2人で券を買いに行った。
よしっ、作戦成功!この間にゆうちゃんに説明しなきゃ。
「ゆうちゃん、あのね。今日あたし作戦立てたの」
「さくせん?」
「前も言ったとおり、あの2人はカレカノなの。でもね、まだきすしたことないんだよ。それに全然らぶらぶしないの」