ひみつのはら
あれ、今なにが起こった?
すごくドキドキしてる……。
「こっちゃん大丈夫?あのね、おばけがこっちゃんをさらおうとしたんだよ。あ、でもオレが追い払ったから、もう大丈夫だよ!」
……えーと、よく分かんないけど……平気、なのかな。
「おねえちゃんちは?」
「さっき、そのおばけにビックリして走って行っちゃった」
あたしたちを置き去りにしたのか。あの人たちは。
「あ、えっと、ごめんね。待たせちゃって。行こっか」
足を踏み出そうとした時、自分の足が震えてることに気付いた。
もしかして、あたし―――怖い?
か、かっこわるい……。
でも、進まなきゃ。でも、怖いよ。
ちょっとしたことでビクッとするあたしを、隣のゆうちゃんは困ったように見てる。
だめだよ、あたし、足手まといだよ。
またおばけが出て、思わず逃げようとしたら。
びりっ。
や、やな音……。
紙テープを結んでる手どうしをつないで、おばけのいないところで確認。
「よかった~。まだ少ーし破れてないよ」
ゆうちゃんが笑って言った。