ひみつのはら
ゆうちゃんって、前向きだな。
あたしは「テープ切れちゃう!」って慌てて、「もうダメだ」って諦めそうだったのに。
ゆうちゃんは「まだゲームオーバーじゃないね」って笑ってる。
どうして、そんな風に考えられるのかな。
「だいじょうぶだよ、こっちゃん。オレがついてるからね。こっちゃんは絶対、オレが守るよ!」
暗がりに咲いた、ひまわりみたいな笑顔。
あたしのこと、いつから気付いてたのかな。
「早く行こ。怖くなんか、ないよ……」
あたしの手をにぎるゆうちゃんの手。熱くて、震えてる。
「ゆうちゃん……ごめんね」
「何が?」
「へいきだよ。ゆうちゃんがいるから。あたしも……ゆうちゃんを守るよ」
おんなじようには、ひまわりみたいには、笑えないけど。
ゆうちゃんに負けないくらい、あたしもぎゅっとその手を握った。
♪
外に出ると、おねえちゃんちが駆け寄ってきた。