ひみつのはら
それでおねえちゃんちはなっとくしたけど、あたしはできないよ!?
このままじゃ、あたしたち何もできない!!
「おねえちゃん……子供だけじゃ怖いよ」
しかたない。演技だ!
「だ、だいじょうぶだよ!オレがついてるもん!」
ここでゆうちゃんが大きい声で言う。ゆ、ゆうちゃ~ん!!
もうダメだ。せっかくここまで頑張ったのに。
この時ばかりは、ゆうちゃんを責めた。もちろん小声で。
「どうしてじゃまするの?ひどいよ、ゆうちゃん」
「え、えーと?」
その時、おねえちゃんちの順番が来た。
「じゃあ、先行くね」
「あ、あのね」
中に消えてくおねえちゃんちに声をかけたのは、ゆうちゃんだった。
「オレたちもちゃんとチューするから、2人もしてよ!」
おどろく2人、そしてあたしの前で、ドアが閉まった。
ビックリして見てるあたしに、ゆうちゃんは言った。
「ずっと考えてたんだ。こっちゃんががんばってるのに、2人がしてくれないのはどうしてかなって。もしかしたら2人に伝わってないんじゃないかなって」
はっとしたとき、ゆうちゃんはいつもの笑顔で言った。