ひみつのはら

「ああああああああああああああああぁぁぁッ!!!」

 突然のあたしの叫びに、おねえちゃんちばかりか周りの人のこっちを見る。

「こ、こっちゃん!?」

「どうした?忘れ物か?」

「……」

 なぜか黙ってるおねえちゃんにかまわず、あたしはもう一回叫んだ。



   「きすするの忘れてたぁぁぁぁぁぁッ!!!」



 短く「あ」と固まるゆうちゃん。

 黙っちゃう遊理兄ちゃん。

 「やっぱり」とため息をつくおねえちゃん。

 叫びすぎて涙の出るあたし。

 こうして、初めてのでーとは終わった。……今からもう一回、観覧車乗れるかな。



             ♪



 途中、ゆうちゃんちまで送った。

「こっちゃん、またどこか一緒にいこうね。その時ちゃんとチューしようね」

 どこまでも前向きだな、ゆうちゃん。
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