ひみつのはら

 先生があたしの短冊を覗き込む。

「決まってないのかな?もうお帰りの時間だけど、どうしようか」

 このあとはチューリップ組だから、そっちで書けばいいのかもしれないけど。

 ちょっと、はずかしいかな……。

「先生、わたし、梅組で書きます」

 ふいにゆかちゃんが来て、そう言った。

 えーと。おねえちゃんっぽく言うと、「いのこり」?

「そっか、2人はチューリップさんだもんね。先生達いないけど、平気?」

 いつのまにか、あたしも含まれてる。

 まぁ、いいんだけど。

「大丈夫です。ね、こっちゃん」

「うん」

「2人は偉いね~。お姉さんだね」

 と、いうことで。

 おむかえやバスを待つ人たちは外へ遊びに行き、バスに乗る人たちは帰り、チューリップ組の人たちはチューリップ組へ行き。

 あたしとゆかちゃんは梅組に残った。

「あ、そうだ」

 出て行こうとした先生は、あたしたちに大きな封筒を渡した。
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