あなたに逢えたこと。


そう思ったとき、声をかけられた。

「俺たちと組もうぜ」

 そう言ったのは、数学の席が隣の
藤井秋だった。だけど、藤井とは
まだ話したことがない。
彼とは小学校も違ったから
2年になって出会ったし、
だから、不思議だった。

「優衣、愛美どうする?」

 2人を振り返って聞いてみる。

「いいよ、別に」

 なぜか優衣はがっかりした表情を見せた。
その理由はすぐに分かった。
優は人気者だし、グループはもう決まったらしい。

「うん、一緒に行こう」

 私が言うと秋は安心したように笑って
他のメンバーにも知らせた。
それだけ私たちと行きたかったんだよ。
でも、きっとこの人たちは
静かそうなメンバーがよかっただけ
だろうなって思った。
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