リフレイン

「倉橋……あのな…」



「失礼ですが……司令官には分かりませんよ…肉親を殺された親族の気持ちなんて……」



……倉橋司令官って…瑠樹也のお父さんだよね……?



確か……
2年前の事件で亡くなったっていう…



「親父は……俺の誇りでした。憧れでした…。あの人がいたから俺は今の仕事に着こうと決心することが出来たんです……」



「……………」



「それに……九条のことは今でも許す気はありません。俺は自分の手でアイツを逮捕すると決めたんです。アイツを逮捕するまでは、俺の無念が晴れることは決してありません。刑事でいる意味もありません。」



瑠樹也はとてつもなく力強い声と真剣な表情をしていた。



「お願いします。俺をこの事件から外さないで下さい。お願いします……」



瑠樹也は司令官に深く頭を下げた。



「……分かった…お前がこの事件に協力することを認めよう」



司令官は溜め息をついた。



「あ…ありがとうございます!!ありがとうございます!!」



瑠樹也は去っていく司令官に何度も何度も頭を下げていた。



瑠樹也は…
本当にお父さんのことが大好きだったんだね……



だからこそ、お父さんを殺した九条が許せなかった。



そりゃそうだよね。



自分が誇りに思っていた人がいきなりいなくなったりしたらさ……


あたしはオフィスに戻り、鞄を掴み取ると署を後にした。



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