リフレイン
――その日は驚きの連続だった。
なんと父さんを殺した張本人の九条が俺達に狙われていることを知り、香港に戻ったというのだ。
“我々の方から香港のマフィアに乗り込む'と司令官から聞いた時、俺は素直に嬉しかった。
これでやっと、父さんの敵をとることが出来る。
無念のまま死んでいった母さんを安心させてやれる。
俺はフッと口の端を上げた。
「――倉橋、ちょっと―…」
司令官に呼び出され、俺はオフィスの外に出た。
「何ですか?司令官」
俺は司令官を真っ直ぐ見構えた。
司令官も同じく俺を見構える。
「……今回の事件…お前は外れろ」
――…は…?
「な……に…言ってるんですか?」
俺は動揺を隠せずにいた。
この人は
俺にこの事件の捜査に関わるなと言いたいのか。
協力するなと
言いたいのか。
「……きません…」
「え?」
「納得できません!!」
俺は思わず声を張り上げた。