リフレイン
オフィスに戻ると、1人だけ人が残っているのが目に入った。
「お、倉橋。お疲れさん!!」
「戸田先輩……お疲れ様です」
俺はペコッと頭を下げると、自分のデスクから鞄を取る。
「なぁ倉橋、ちょっといいかー?」
戸田先輩に話し掛けられて俺はキョトンとした。
「……何ですか?」
俺は聞き返した。
「……あのさ…お前もう少し、隊員のみんなに心開けないのか?」
「……は…?」
いきなり放たれた言葉に俺は拍子抜けしてしまった。
心を開く?
「どういう意味ですか?」
「俺から見た感じ、お前は隊員のみんなを仲間だなんて思ってないよな?」
戸田先輩の言葉がグサッと心に刺さる。
「図星か?」
この人は…
俺のこと分かってんのか?
「……別に…」
「答えろよ、倉橋。」
戸田先輩は真っ直ぐな眼差しで俺を見る。